「昔観た映画」

10月末に短期間ですが日本に行き、JFKでワンストップするサンパウロ行きのJAL便で戻ってきました。最終目的地がブラジルですから、機内のアナウンスも日本語、英語そしてポルトガル語で、上映する映画にもポルトガル語の字幕が入っていました。

台詞が英語で字幕がポルトガル語というと思い出があります。学生時代、今から10年以上前のことですが、ブラジルを長期に渡って旅する機会がありました。首都のブラジリアを見学して、住んでいたサンパウロへ帰る時に、直行バスのチケットが売りきれた為に、途中のベロ・オリゾンテという街でバスを乗り換えなくてはなりませんでした。ところが、街に着いてみると乗り継ぎの連絡が悪く、12時間近く待たされることがわかりました。普段であればこの時とばかりに、いろいろと歩き回るのですが、あいにく大雨になり、仕方なく最も手軽に雨宿り出来る映画館に逃げ込むことにしました。

何の予断もなしに入ったその映画館で上映していたのが、ウンベルト・エーコ原作『薔薇の名前』。ストーリーは中世イタリアの修道院で不可解な殺人事件が起こるという内容で、ショーン・コネリーが探偵役で出演していました。原作は日本語にも翻訳されてベストセラーにもなりましたが、非常に難解な為に作者の盛り込んだアイデアを全て理解している読者は殆どいないという噂があるくらいです。(私自身、立ち読みで臆してしまい未読のままです)

そんな難しい内容を英語で聞き、おまけに字幕がポルトガル語ですから、何が何だかさっぱり解らない。入れ替えが無いのを良いことに、3.5回位観たというか、画面を眺めていただけですが…安上がりな雨宿りにはなりました。

さて今年の「聖書通読」もいよいよ大詰めになってきました。通読は「参加することに意義がある。分かっても分からなくても先に進む。特に旧約は難しいから、今日の箇所を斜め読みする」気持ちで参加していましたが、夏頃からメモを取りながら出来るだけ時間を掛けるように読み方を変えてみました。スケジュールからは遅れていますが、御言葉を「味わう」楽しみを新たに発見できたように思います。また旧約は長いこと、私にとって繰り返し観ても難解な映画のような感じでしたが、じっくりと読むようになってからは、以前のような漠然とした「難しい」という心理的な抵抗感が薄らいできたように感じます。
 
ところで、今回機内で上映していたのは「Frequency」というサスペンス・ドラマ。懲りずに英語のヒアリング&ポルトガル語字幕でトライしてみました。細部の理解はともかく、少なくとも「薔薇の名前」よりもかなり解りやすい映画でした。
 
昔観た映画のことを思い出しながら、引続き聖書を丁寧に読んでいけたら良いなあ〜と思った次第です。

月報2000年12月号より


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