「温泉の効能」

疲労回復、肩こり、冷え症、腰痛、神経痛、リウマチ、あせも、しっしん…。これは、とある入浴剤の外箱に記されている効能である。日常、シャワー・オンリーの生活をしていると時々無性に風呂に入りたくなる。家にバス・タブがなくはないが、浅くてとても肩まで浸かることはできない。ところでアメリカには銭湯も温泉もない、と思いこんでいたが、今年になってその何れもが存在することを知り、訪れる機会にも恵まれた。
 
まず温泉。これはニュージャージーからはかなり遠いが、アイダホ州の南東にその名もLava Hot Springsという場所がある。これは正真正銘の温泉。沸かし湯ではない。屋外の公衆浴場、と言っても水着を着けて入る。週末の夜ともなると、次から次へと客が訪れ、芋洗いの様になる。アメリカ人も温泉が好きなのだ!と、妙に感動する。しかし高校生と見受けられるカップルがデートしているところをみると、この人気は他に娯楽がないからなのか、とも考えられる。こぢんまりとした温泉街には、宿屋が数件。湯治客がいるのだろうか。

一方、ニュージャージーからそう遠くないところにもお風呂屋さんがあると聞いて、出かけてみた。車で約3時間半。マサチューセッツ州の中央からやや西のNorthamptonという学生街に東天(East Heaven)と名づけられたそのお風呂屋さんは、全室個室、つまり家族風呂だ。だから水着を着けずに入れる。これは嬉しい。木製の樽風呂風の作りがまた嬉しい。深さも大きさも満足のゆくものだった。そこそこ繁盛しているのを見ると、風呂好きの(風呂のよさを発見した)アメリカ人もいるのだなあ、と思わされる。
 
ところで、信仰も温泉のようなものではないだろうか。よいものと聞いて頭で分かっていても、自ら実際に浸かってみなければその素晴らしさは体験できない。手先や足先をちょっと触れたくらいではまだ分からない。肩までどっぷり浸かって初めてその気持ち良さが分かるし、継続して浸かることで「効能」も出てくる。
 
温泉の「効能」は、体の疾患の回復に限られるが、イエスさまは心の傷をも癒してくださる。我々誰しも心の傷、心の癖を持って生きている。イエスさまに癒していただこう。心の束縛から開放していただこう。飛行機や車で遠くまで行く必要はない。今、この場で、イエスさまは私の方から心の扉を開くことを待っておられるのだから。

月報2001年1月号より


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