「認められて、感謝されて、褒められて」
 
「『個性の尊重』『ひとりひとりを大切に』等などとよく言われます。彼と接して、本当はこういうことなんだと痛感いたしました。とてもシャイな彼なのですが、自分ができること、自信を持っていること、やってみたいことは、どんどん自己主張してきます。『ぼくのミニトマトはない。でも紐を切ることは出来るからやらせて。』『絵は好きだから紙芝居やらせて。』『給食当番やらせて。』『ぼくはひとりで帰れるように、昨日練習したから大丈夫。』等など申し出てきます。言われてから行動するのではなく、自分のことに自信を持ち、自分のできることは最大限努力します。きっと彼の良さをしっかり認められ、集団の中でその良さを十分生かされてきたのでしょうね。彼の影響でしょうか、『先生、この仕事やりたいな。』等と、行動的になってきました。」
 
昨年の夏、一時帰国の際、体験入学をさせていただきました。これは、その時担任の先生から出されたクラスだよりです。(私の宝物です。) 私たちがアメリカに来て3年が過ぎました。異文化に触れ様々なことを経験し、驚いたり喜んだりの毎日です。中でも子供の学校生活というのは、私たちが経験した日本の学校とは全く違うために、1年目は何がなんだかわからず、2年目は「ああ、そういえば去年そんなことがあったような、、」3年目にしてようやく「こんなことをしているのね」とこちらの学校生活に向き合うことができるようになりました。子供を窓口として、アメリカの社会、文化、思想を知ることのなんと多いことでしょう。担任の先生が書かれた様に、個性の尊重という点では、日本との違いを感じます。日本の子供達のように、同じ格好をしていないと安心できない、とか自分がこんなことをしたら(言ったら)、他の子に何か言われはしないか・・、と人の顔色をうかがうこともあまりないようです。
 
先日私は、PTA主催のパンケーキブレクファストのボランティアに行きました。3回目だったのでだいたい仕事は把握していましたので、出来ることを(主にキッチンの掃除、洗いもの)黙々としていました。(おしゃべりに花が咲くということがないので。)その時の他のボランティアのお母さん達の賛辞(お世辞?)といったらありません。「本当によくやってくれるわ、ありがとう。」「ここをこんなにきれいにするのは、とても大変、でも一番大切なことよ。」ちょっとあいさつにきたお友達にも、「彼女ったら素晴しいのよ…。」嬉しいやら照れ臭いやら、何と答えたらいいやら。それぞれが感謝し合って、声を掛け合っていくことはとても大切なことだと思います。きっと子供達もいろいろな先生や友達に、こんなふうに認められて、感謝されて、褒められて毎日を過ごしているんだろうな、と感じました。これからも様々な経験をすることでしょう。私達は子供がつまずかないように育てるのではなく、つまずくことを恐れずに、つまずいても自分の力で起き上がって、困難を乗り越えていけるよう見守り続けたいと思います。

月報2000年11月号より


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