「愛を与えてもらうからこそ」
 
「盲導犬は、生直後よりプロのパピーウォーカー(小犬を散歩させる人)に預けられ、生後1年間は無償の愛、無条件の愛の中でのびのび育てられる。だからこそ以降の厳しい実地訓練にも耐え、気高くも尊い献身振りを発揮する盲導犬に成長するとも云われる。」(三宅馨著「妊産婦のアメニティはどこまで追求されるか」より。)
 
「乳幼児期にたっぷりの愛を与えてもらうからこそ、その後その愛を惜し気もなく他の存在に与えることができるようになるのかもしれない。『大丈夫だよ、あなたはこんなに愛されているのだから。』と、十分に伝えることにより、人を信頼することを教え、自分という存在に自信を持たせてやること − 親が子供に与える最初にして、最大の恵みである。」(飯田史彦著「生きがいの本質」より。)
 
私たちも神様に愛されているのだ、一人一人大事に思われているのだ、と気付かされる時、喜びと大きな平安がもたらされます。
 
家庭において一番大切なことは、子供の豊かな心を育てることではないでしょうか。それには親からの精一杯の愛が必要だと思います。子供が泣くのは、自分を見て欲しいからなのです。愛されていることを確認したいのです。何度泣いても、どんなに求めても相手にしてくれなければ、子供も学習し、あきらめてしまうことでしょう。子供の求めることに、ゆとりをもって聞いてあげる。すると子供の心は満足し、情緒が安定するのです。子供が何かしてくれた時、顔を見て心をこめて「ありがとう。上手にできたね。」と感謝し褒めてあげたいものです。忙しさにかまけて、顔も見ずに「サンキュー」と云っていないでしょうか。向かい合ってやさしく笑顔で云うのと、五秒の違いがあるでしょうか。大好きなお父さんやお母さんから感謝され、褒められて、子供はどんなに喜び安心することでしょう。他人が幸せなら共に喜べる心を養ってあげたい。口で云うだけで、親がそうした姿を見せなければ、子供はわからないでしょう。だから親は大変です。でもこうやって、私たち親も成長できるのです。子供と共にいろんなことを経験したり、子供を通じてたくさんの素晴しい人とめぐり逢ったり、子供が依存してくれるため、自分の存在価値が大いに認められる。私たちは育児しながら育自して、何と人間的に成長させてもらえるのでしょう。そして何より、こんなにも「愛しい」という想いを持てることの素晴しさ。こんなにも親にたくさんの宝物を与えてくれて、親離れをするまでに親孝行はしてしまっているのかもしれませんね。感謝します。

月報2000年4月号より


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